私は治療家になって10年ほどですが、セミナーや大学で講義を行っていました。
セミナーや大学の講義では受講生から、
「こんな症状の場合はどうやって治療するのですか?」
という質問がとても多いです。
講義を受けているので当たり前のことなのですが、
しっかりとした基本的な知識を持っていれば、自ずと治療法はわかります。
左手の小指を傷めた場合、どうやって受傷したのか、どの動作で痛いのかという状況がわかれば、どこを治療すれば症状が改善するのかはわかるはずです。
それがわからないのは、知識不足としか言いようがありません。
確かに治療のテクニックなどはどこかで学ばなければいけないかもしれませんが、
最低限、解剖学的な構造(筋肉、支配神経(感覚・運動))などを理解していれば治療は行えます。
さらに治療をレベルアップさせて、その場で症状を改善できる治療家になるための勉強の仕方を紹介します。
インプットする
解剖学なり、基本的な整形学的疾患などの情報は、ひたすら勉強して知識をストックしていけばいいでしょう。
しかし、ただ知識をインプットするだけでは治療に活かすことはできません。
治療に活かせるように考える必要があります。
時には、こんなものを勉強してもと思うかもしれません。
そんなときは、角度を変えて考えてみましょう。
正面から筋肉を覚えたのであれば、今度は後ろから、次は斜めから。
と言う風に、いろいろな角度から筋肉を考えていきましょう。
「上腕二頭筋の緊張が高まると上肢はどのような形になり、どこの骨がずれるのか、痛みが出るのか」を考えてみる。
「神経であれば、筋肉の間を通る部分、狭窄されやすい部分はどこなのか?この神経が圧迫されるとどこに障害が起こるのか?」
そういうことも含めてインプットすることで、どんな症状にも対応できる良い治療家に近づくことができます。
アウトプットする
覚えた後に一番重要なことは、誰かに伝えることです。
だれかに伝えることで、あなたの頭の中が整理され理解がさらに深まり記憶されます。
友人でもいいですし、実際の患者さんに、こういう状況でこんなことが起こったから痛みが出るんですよーっと説明するだけでも素晴らしいアウトプットになります。
あなたの理解が深まるだけではなく、患者さんからも信頼されるようになるので一石二鳥です。
最初のうちは間違ってもいいので、自信を持ってアウトプットすること。
やっているうちに慣れてきます。
シュミレーションする
一番重要になってくるのは、シュミレーションすることです。
どのように受傷したのかによって傷害される部分が変わってきます。
だから、こういう風に手をついて倒れたらどこに一番力がかかってどこが傷害をうけるか。などを考えられるように、
特定の姿勢での関節の動き、作用する筋肉などを覚えていきましょう。
慣れてくると、受傷機転を聞いた瞬間に、あの骨があっての方向に動いてあの筋肉が過緊張を起こしているはず。
だからそれを治さないといけないな。
と、わかるようになります。
準備もなく人を治すことはできません。
どんな症状の人が来ても対応できるように、治し方をシュミレーションしておくとよいでしょう◎
人に聞く前に自分で考える
ここまで知識をつけて自分で考えられるようになると、最初に書いた、
「こんな症状の場合はどうやって治療するのですか?」
と言う質問はしてこないはずです。
「受傷機転から○○と考えて検査をしたら、やっぱり○○骨がずれて○○筋が緊張していたので治療してみたのですが、あんまり上手くいかないんです。なにか足りないことはありますか??」
という具体性の高い質問が来るはずです。
良い質問は、症状の治し方という漠然としたものではなく、自分でどうやったら治せるかを考えて、それが合っているかどうかを確認するような質問だと思います。

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