正確な治療のために検査を極める理由
でも、なぜ触診が大事なのかがわからない方、意外に多いんですね。
患者さんも治療家も含めて多くの方々が。
患者さんは正確な情報が少ないからしょうがないにしても、働き始めてすぐの治療家は、上手になりたいという思いで治療法ばかりを追い求めてるから尚更。
いままでの経験から確実に言えることは、
「触り方がうまくない人は治療も上手くない。」
と言うことです。
逆に触診が上手い人は治療が上手いし結果を出せている。
当然です。
触診とは、良い治療をするための必須スキル。
触診で悪いところを見つけることができなければ治療なんてできません。
いい治療のために考えていること
徳川埋蔵金を掘るときに、「たぶんこの辺だ~!」と適当に掘りませんよね?
地形を考えたり、金属探知機とかで埋蔵金があるであろう場所を掘ると思います。
なにも当たりもつけず掘りはじめたら何も出ずに終わってしまうことの方が多いでしょう。
それだけでなく、お金も時間も労力も無駄になってしまいます。
治療もそれと同じです。
あてもなく体を治療をしたところで症状は改善しないどころか、
治療をしてはいけないところまで治療してしまい、逆に症状が悪化することもあります。
それではなんのための治療かわかりません。
自分の時間も相手の時間も使って、「症状が改善しませんでした。」では患者さんも納得しませんし、治療している側も心が痛いはずです。
だから治療効果を高めるためは触診が絶対に重要。
治療家にとって、治療が上手くいかない場合、
「勉強が足りていないな。もっと勉強しよう。治療法を学びにいこう。」
と、思うかもしれません。
しかし、「もっと触診上手くならなくては!」
と思う人はほとんど一ないと思います。
触診とは、それくらい光の当たらない技術ですが、
効率よく最速で治療効果を出すためのツールであることは間違いありません。
触診にはじまり触診に終わる。
治療は、
「触診にはじまり触診に終わる」
といわれるくらい、触診は大事です。
本当に触りたいところを触れている治療家はどのくらいいるのでしょうか。
治療家だけでなくしっかりと触診ができる医療関係者はどれくらいいるのでしょうか。
実は触診をしているようで全く違うところを触っていると言うことは結構あります。
私は大学で教えていましたが、学生のほとんどがランドマークとなる部分を正確に触り分けられていませんでした。
また、セミナーでも、臨床経験うん十年のベテラン治療家でも触り分けれていないということもわかりました。
その多くが、触りやすいところを触っていると言うことに原因があります。
触診とは、左右を触り分けて異常を見つけることが目的です。
左右同じところを正確に触れると言うことだけでは治療に活かすことはできません。
下手な治療家は、左右で全然違うところを触っていたり、間違ったところを触っているのにこれが正しいと思い込み、全然間違った診断をしている人がほとんどです。
触診は触るところが数ミリ変わるだけで診断が大きく変わる繊細なものです。
診断結果が変わると治療効果がもちろん大きく変わります。
よく、学生やセミナー受講生に、筋肉の奥にある骨を触ってと言うと、
「筋肉があるから直接触れませんよね?」
と聞かれることがあります。
しかしよく考えてみてください。
「直接触れる骨ってあるのか??」
全部皮膚とか内部組織を介して触ってるやんけ!って思ってしまいます。
その厚みが変わっても感じることはできるのです。
どうしても、厚い筋肉などがあると触れないような錯覚に陥りがちですが、
どれだけ厚みがあっても、内部組織を介してその下にある骨を感じることができます。
治療家でも、絶対に触れないと思う人が多いと思いますが、それでは一生上手くなることはできません。
「これは筋肉や脂肪が厚いから触れないな。」ではなく、「どうしたら感じれるかな?」
と考えて仕事をした方が、触診も治療も上手くなるし、楽しく飽きないと思います。
当たり前のことですが、普通の人ができていないことを普通にできるようになれば、普通の人が治せない者でも普通に治せるのではないかなと思います。
触診を磨くことで治療効果は確実に上がります。
もし、どこに行っても症状が改善しないという人は、触診の上手い先生のところへ治療に行くことをオススメします。