呼吸と不眠の関係
みなさんは通常、特に意識をすることなく無意識で呼吸をしていると思います。
呼吸は意識されることなく自律神経の支配により、無意識に行われるのが普通です。
生きていく上で必要不可欠の呼吸ですが、実は、不眠と密接に関係しています。
不眠の呼吸の特徴
不眠の呼吸は浅く、深い呼吸ができていないことが多いです。
呼吸が浅く深い呼吸ができなければ、体がリラックスできず副交感神経が働きにくい状態が続いてしまいます。
リラックスができなければ深い睡眠はできませんので、どうしても浅い睡眠になります。
深い呼吸をするためには横隔膜が正常に働いてくれないといけません。
不眠の場合、この横隔膜の緊張がみられます。
横隔膜とは、息を吸うときに使われる筋肉です。
そのため、横隔膜が緊張すると息が吸えなくなり、呼吸が浅くなってしまいます。
横隔膜が緊張する原因
不眠だけでなく、パニック障害や自律神経の乱れが出ている方にもたくさん、横隔膜の緊張がみられます。
原因としては、ストレスやトラウマ、過去の怪我や事故、手術によるものです。
上司や友人にひどいことを言われて過呼吸になった、10年前にテニス中にひどい捻挫をした、スキーでこけて靱帯を切ったなどがこれに当たります。
なぜ、過去に怪我や事故をされている方に不眠症やパニック障害、自律神経の乱れが出ている方が多いかというと、怪我や事故の時に呼吸が一瞬止まり、横隔膜が緊張するからです。
大きな衝撃を受けた時、体は防御反応として筋肉を緊張させ、体を固くさせます。
だれかに後ろから肩を叩かれてビクッとなった経験はありませんか?
そのあと心臓がバクバクで呼吸が浅く速くなったと思います。
それのもっとひどいものが怪我や事故の際に起こるのです。
特に呼吸に関係する横隔膜は緩みにくいところ。
緊張した横隔膜で呼吸をしていては呼吸が浅くなり自律神経が乱れるのも無理ありません。
何年も昔の出来事かもしれませんが、体にとってはいつまでも残る記憶なのです。
緊張した横隔膜を解放してあげないことには健康は手に入りませんし、睡眠が良くなるのも難しいと思います。
横隔膜が緊張すると
横隔膜には、呼吸をするというとても重要な役割があります。
横隔膜が正常に働くことによって、たくさんの酸素を取り込めて体中に酸素を行きわたせることができるので、脳も自律神経も正常に働くことができるのです。
横隔膜が緊張すると、上手く空気を吸えなくなるため酸素を取り込むことができずに、体中に酸素が行きわたらなくなるので、脳も自律神経も正常に働くことができなくなります。
いわゆる酸欠状態です。
この酸欠状態が長く続くと判断力が低下したり集中力がなくなったり疲れがとれなくなったりと、体に様々な悪影響を与えてしまいます。
また、呼吸が浅く乱れるときには心はネガティブなことが多いです。
心がネガティブになると不安を感じ、息が詰まる状態に。
その状態ではポジティブなことを考えることはできませんので、さらにネガティブ思考で負のスパイラルに陥ります。
横隔膜の緊張は、感情まで支配してしまうのです。
呼吸で自律神経を整える
呼吸は自律神経の支配で無意識に行われますが、意識的に変化させることもできます。
呼吸を意識的にコントロールすれば、自律神経そのものをコントロールすることも可能なのです。
自律神経を整える簡単な方法は、深い呼吸。
やり方は、鼻からお腹にゆっくりと息を吸い込み、鼻から息を吐き出します。
これを何回か繰り返すと気持ちが落ち着き体が緩んできます。
体が緩むと言うことは副交感神経優位になるのです。
息を吐くと体は緩みます。逆に息を吸うと体は緊張方向に作用します。
つまり交感神経優位。
だから体を緩めたい場合は息を吐くのが自然です。
しかし、やりかたを間違えると逆に体が緊張してしまいます。
よく、口で吸って口で吐く腹式呼吸をすすめている方がいますが、口で吸って口で吐くと、吐くときに力が入ってしまい体を緊張させてしうのです。
その結果、うまく体を緩めることができなくなります。
だから“鼻から吸って鼻から吐く”ことが大切です。
呼吸で自律神経をコントロールすることができます。
だから控えめに言っても呼吸法はとても重要です。
横隔膜を緩めて呼吸を整え自律神経を整えることこそ、質の高い睡眠につながります。
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