治せる!【独学で治療をマスター】勉強方法のまとめ【初心者向け】
治せる治療家になるための勉強と実践のロードマップ
私は治療家になるための考え方、治療方法をすべて師匠の技術を目で見て盗んで勉強してきました。
いま思えば、だれかに相談していればもっと効率良く勉強できたな…と思っています。
しかし『相談するのが申し訳ない…』と感じてしまう私の性格上、見て盗むことが自分に合っていると思っています。たぶん世の中には私と似た性格の方がいると思うので、そういった方向けに記事を書きます。この記事がしっかりと治せる治療家になるための勉強のロードマップとなれば幸いです。
読んでほしい人
整体、鍼灸、柔道整復などの治療を勉強している/これから勉強しようと思う方。治療家として今後生きていこうと強く思っている方。
当記事のとおりに勉強することで、しっかりと治せる治療家になれます。勉強はたまにつらいかもしれませんが、がんばりましょう♪
それでは、さっそくまとめていきます。
【1】身体の仕組みを理解する
治療法の勉強の第一歩として、解剖学は必須です。
人の身体に触れて治療をするために必要な知識で、これを知っていないとなにも始まりません。
とはいえ、解剖学の基本を学ぶことはとても簡単です。
では、実際にどういった流れで勉強していくべきかを見ていきましょう。
1-1. 骨格・骨を覚える
人間の身体を構成する骨格である一つ一つの骨を覚えることから始めます。
どの骨がどの骨と関節を構成しているのか?どんな靱帯で骨がつながっているのか?
大学や専門学校、整体スクールに通われた方はすでにおわかりかもしれません。
しかし、大切なところになりますので、もう一度細かい部分まで復習しましょう。
特に脊柱は治療をする上でとても重要な役割を果たしますので、確実に覚えましょう。
1-2. 関節の構造を覚える
身体には多くの関節が存在します。
その関節の異常が痛みを引き起こしていることがほとんどです。
関節を構成する骨なのか?靱帯なのか?関節包と言われる膜の問題かなどを見つけられるように、関節の構造と正常な動きについて知っておく必要があります。
1-3. 筋肉の位置と作用を覚える
人間の身体を動かすためには筋肉は欠かすことはできません。
特に関節を動かすためには筋肉の正常な働きが必要不可欠です。
そのため、筋肉がどこの骨からどこの骨につき、筋肉が作用するとその骨がどういう動きをして関節はどうなるのかを覚えます。
例えば、上腕二頭筋の短頭の場合、付着部は肩甲骨の烏口突起から橈骨粗面と前腕筋膜に付着します。
作用は前腕の屈曲と回外。
と言う風に覚えていきます。
1-4. 筋肉の神経支配を覚える
筋肉の作用を重視している人はいますが、筋肉の神経支配を軽く考えて、覚えていない人が結構います。
でも、これは意外と大事です。意外とというかとても大事です。
筋肉を動かす神経はすべて背骨の椎間孔から出て筋肉を支配しています。
ということは、背骨がずれれば神経の働きが悪くなり筋肉の弱化が起こるため痛みが出やすい状態になります。
逆に、肉離れや打撲などで筋肉自体に問題が起こった場合には、その筋肉を支配する神経の出る領域の背骨がずれてしまいます。
そのため、筋肉と関係する神経を覚えることで治療が格段に上手くなります。
【2】検査を学ぶ
治療スタイルは人それぞれですが、治療をするからには、多くの人によくなってもらいたいと思うのは治療家の心理かと思います。
しかし、いくらたくさんの治療法を知っていても、鑑別診断ができなければ治療を成功させることはできません。
多くの治療家は検査を軽視し、直感と経験で治療を行うため進歩がありません。
特に整骨院などは何も考えずマッサージをして治せないどころか、逆に症状を悪化させていることも日常です。
そうならないためにも、何が悪くて症状が出ているのか?をしっかりと把握し治療を行う必要があります。
それができている人はやはり治せる治療家ですし、患者に困ることはありません。
そこで必要となってくるのが検査の知識です。除外鑑別診断を行う上で必要な検査がどういうものか見ていきましょう。
2-1. 整形学的検査(オーソペディック検査)
主に整形外科的な症状の場合に用いられる、道具や機械を使わずに行われる簡易的な検査法です。
これにより症状の原因、部位を特定することができます。
特定する上で、検査の正確性が重要です。
しっかりとした検査を行わないとしっかりとした診断は行えません。
正確な検査ができるように、検査の方法、意義をしっかりと把握しましょう。
2-2. 関節可動域検査(Range Of Motion、ROM)
整形外科的検査で症状の原因、部位を特定した後に大切なのが評価です。
特に関節の動きを評価することはとても重要です。
一般的に関節をどの程度動かすことができるかで、症状・障害の程度を評価することができます。
筋肉や靱帯、関節包などが柔軟であればあるほど可動域は大きく動かすことができるはずです。
痛みやしびれ、炎症などにより筋肉や靱帯に硬さが生じる場合、関節の動きは小さくなります。
この関節可動域を評価することは、治療を進める上でとても重要な評価手段なのです。
2-3. 筋力検査
身体の関節可動域と整形外科的検査が分かった時点でオススメするのが筋力検査です。
一般的に使われる筋力検査もいいのですが、治せる治療家になるためには一般的な筋力検査ではなく、
アプライド・キネシオロジー(AK)と言われるカイロプラクティックのテクニックの中にある筋力検査がおすすめです。
これは個々の筋肉に対して筋力検査を行っていくため、特に弱化している筋肉を見つけ出すことができます。
なので、筋力検査を勉強するのであれば一般的な筋力検査に加えて、こちらの筋力検査を勉強するのがおすすめです。
【3】実用的な検査を学ぶ
ここまでで人体の構造と診断するための検査の基礎がわかりました。
ここからは少し実践的な話となります。
人体の構造を知っていても、検査法を知っていても、診断ができるだけで治療はできませんよね?
私たち治療家が結果を出すためには、一般医学が行っている診断方法だけでは十分ではありません。
何が必要かというと、悪い部分、治療するべき部分を見つけることです。
実は整形学的検査もROMも筋力検査もすべて評価に過ぎません。
評価にしか過ぎませんので、原因はよくわからないけどこの検査が陽性だから○○の疑いがあるよ~ということしかわからないのです。
しかしそれだけでは私たちは治療方針を立てることができません。
必要なのはその先の、もっと細かい検査です。
例えば、膝関節捻挫という診断だけでは私たち治療家は治療を行うことができません。
この捻挫がどの部分にどの方向に起こり、脛骨や腓骨、大腿骨がどういう状態になっているかを診断できなければ正確な治療を行うことはできないからです。
しっかりと結果の出る治療をするためには、どの部位にどのような異常があり、どういう治療が必要かを診断する必要があります。
そのために必要なのが触診なのです。
触診には2種類ありますので詳しく見ていきましょう。
3-1. スタティックパルペーション
治療を行う上で最も重要な検査の1つがスタティックパルペーションです。
これは従来行われてきた触診法で、部位を動かすことなく触診を行い異常をみつけます。
スタティックパルペーションによって骨や関節の変化、筋肉や関節の異常、末梢神経の異常、圧痛、腫脹、発汗状態、血管の拍動、下肢長などを検査することができます。
3-2. モーションパルペーション
筋肉が動かすことのできる随意運動力を超えた、自分では動かすことのできない関節の遊び運動を検査する方法。
エックス線検査や整形外科的検査で異常が見られないのにもかかわらず、痛みなどの症状を訴えている患者に効果的。
基本的に、スタティックパルペーション、モーションパルペーションどちらかを行うと言うことではなく、
スタティックパルペーションで異常を見つけた部分にモーションパルペーションを行い、治療部分の判定するという流れがとてもスマートで効率的です。
【4】治療法を身につける
ここまでで治療をするべき場所がわかったと思います。
そうなるとやはり、治療法が気になるのではないでしょうか。
正直言ってしまえば、検査で異常(硬いところ、ズレ)を見つけることができれば、治療法は何でもいいのです。
治療すべき場所がわかっているので、アジャスト、スラスト、マニュピレーション、モビリゼーション、針、マッサージなどあなたが今まで習ってきた治療法(テクニック)を使えばよくなります。
治療を行う上で大切なことは、優しくて安全で、患者にも術者にも負担がかからないテクニックを用いることです。
私はモーションパルペーションを治療部位を判定する検査として使っているので、その流れで行えるテクニックが一番理想です。
では、実際に検査から即治療の流れに適している治療法を見ていきましょう。
4-1. ストレッチング
筋肉の付着部や靭帯、筋膜等のストレッチを主としたテクニック。
これは関節を無理に伸ばすような一般的なストレッチではなく、筋肉や靭帯、筋膜など特定のものに対してピンポイント圧を加えながら行うストレッチです。
強い力は必要とせず、患者に負担をかけないように行うことができます。
4-2. モビリゼーション
可動性が減少している関節に断続的な力をかけて関節の可動性と骨の位置を正常化する方法。
強い力を使わず関節を緩めることができるので、老人や女性や子供まで幅広く行うことができます。
強い力ではないので、治療する場所、方向が間違っていてもそんなに体に害はなく、失敗が少ないテクニック。
治療場所と治療の方向がバチッと合えば、驚くような効果を出すことも可能です。
ただ残念ながらそこまで行くには練習と経験が必要になります。
使い方によっては、検査の続きの流れで行うことができので一番効率的なテクニックです。
4-3. スラスト
ズレている骨、可動性が減少している関節にスピードを伴った力をかけて関節の可動性と位置を正常化する方法。
上手に骨を動かし関節の可動性を出すためには、様々なテコを利用して関節の緩みを取り、1番抵抗のある方向にスラストを行わなければいけません。
うまく関節の緩みをとることができずスラストを行うと、捻挫や組織を損傷させる原因となり、血管を傷つけた場合は最悪死に至ることもあります。
うまくやらないととても危険なテクニックです。
しかし、うまくやると相当効果の高いテクニックでもあります。そのため、このテクニックを用いる場合はしっかりとした知識と練習が必要です。
4-4. ストレイン・カウンター・ストレイン(SCS)
オステオパシーの代表的なテクニックで、主に緊張した筋肉に使われます。
緊張している筋肉を一番緩むポジションでキープすると緩むというものです。
まず緊張している筋肉の圧痛点を探す→圧痛のある部分に圧を加え、圧が消えて筋肉が緩むポジションになるように関節を動かす→その状態で90秒間キープ→ゆっくり戻す→筋肉が緩む。
ただ、90秒も待ってたら少ししんどい上に治療時間がかかるので、呼吸法を使うと短縮できます。
4-5. 呼吸法
呼吸法とは、文字通り呼吸によって治療をすることです。
ただ呼吸をしてもらうのではなく、しっかりと検査で見つけた硬さやズレに対して圧を加えながら、患者に深呼吸をしてもらう。
すると、圧を加えている組織がフワッと緩んでいきます。
これは深呼吸によって体の力が緩み、圧によって組織が緩むからです。
アジャストをするときに患者をリラックスさせます。これも、体の力を抜かせて骨を動かしやすくするためです。
それくらい体の力を抜かすことで治療がやりやすくなると同時に、効果も倍増します。
4-6.まとめ
まだまだたくさん治療のテクニックはありますが、上記のものが検査から治療の流れを行いやすいテクニックです。
Motion Release Therapyもこれらのテクニックを取り入れよりシンプルに発展させたものですので、独学で勉強される方は、まず4つのテクニックにから勉強されることをおすすめします。
ただ、理解していただきたいことは、上記のテクニックを完全に理解する必要はないということです。
現時点では「モビリゼーションはこんなものかー」「SCSはこんな感じか」「いろいろなものがあるな~」くらいの気持ちでOKかと思います。
ただ、忘れてはいけないことは、強い力で行わないと言うこと。できれば最小の力を用いるということです。
【5】実際の患者に使う前に練習する
ここまでくると、治療である程度満足する人も多いかと思います。
しかし、さらに勉強を進め練習を積むことによりさらに高度な治療ができるようになります。
当記事では、初心者にオススメな勉強方法、練習方法を解説していきます。
5-1. 実際に自分の体で練習してみる
治療をする上で欠かせないのは、異常を見つけることです。
そのためまずはじめは、自分の体で触診の練習をしましょう。
これをすることにより、何倍も早く感覚が身につき、触診が上手くなります。
まず触診では自分の骨を触り分けられるようにしましょう。
次に筋肉、皮膚の盛り上がっているところ、へこんでいるところという具合に触診の練習をしてください。
少し慣れてきたら、左右の差を比べてみましょう。
触診は異常を見つけるテクニックですので、異常を見つけることができなければ触診をする意味がありません。
そのためにも自分の身体で触診をして、左右の差を確認してください。
テクニックを練習する場合も自分で触れるところであれば、まず試してみてください。
5-2. 友人や家族に試してみる
自分の体で触り分けられるようになれば、いよいよ友人や家族に試しましょう。
自分の体を触っていたときとは感じ方が違って難しいはず。
しかし、何回も練習していくとすぐに感覚がつかめてきます。
わからないからと諦めず、しっかりと納得できるまで練習してください。
ここを怠ると、治せる治療家にはなれません。
5-3. 上手い人のまねをする
形を覚えたら、上手い人のまねをしましょう。
やはり上手い人が上手いのには理由があります。
立ち方、触れ方、力のかけ方、体の使い方など、上手な形をまねをすることで、
その人が上手くなるためにかかった時間の何倍も早く上手くなることができます。
あなた流にアレンジするのはいつでもできますから、まずは基礎となる形を完璧にしていきましょう。
5-4. 鏡の前で練習する
あなたができていると思っていても、周りから見ると下手くそに見えている場合があります。
なので、周りが見ても「上手いな~」と思われる体の使い方、触り方を練習しましょう。
そのためには、鏡の前で練習し、「自分の形はかっこ悪くないか」「きれいに見えるための体の使い方」を鏡の前で研究しましょう。
憧れている人がいるのであれば、その人を完璧にコピーできるよう練習しましょう。
結局上手い人をまねすることが一番の近道です。
スポーツをやられていた方は、憧れの選手のフォームや戦術をマネされた経験があるのではないでしょうか?
治療もまさにそれなのです。上手い人のフォームや技術、治療の考え方をマネしてみる。
マネができるようになったら自分なりのアレンジをしていくというのが上手くなる一番の近道だと思います。
人のマネもできないのに自分のオリジナルが出せるわけないのです。
まずは身近な憧れる人、セミナーで出会った素晴らしい先生のマネをしてみましょう。
【6】あきらめない。結果が出るまでやり続ける
練習をしているのに結果が思うように出なかったり、なかなか技術を習得できなくて嫌になってくるときもあると思います。
正直私も、治療が上手くいかなくて辞めてしまおうと思ったときもありました。
だから、そんなときは少し休憩してもいいので諦めずに続けてください。
諦めて技術習得を辞めてしまってはそこで試合終了です。
でも、続けている限り負けではありません。
勝てるまでやる。
あなたが習得しようとしている技術で結果を出している人がいるならば、あなたでも結果を出すことができます。
続けていけば、ふとした瞬間にできるようになったりします。
諦めず、結果が出るまでやり続けましょう。
【7】まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。この記事は私自身が治療を学ぶ際に使った方法です。
この方法が必ず正しいとは限りませんが、多少なりとも参考になれば幸いです。
治療が上手くなりたい、もっと患者を救いたいと思われる気持ちは痛いほどわかります。
しかし、治療を上手くなる上で一番大切なことがあります。
それは、治療を楽しむことです。
いやいや勉強していても身につくものではありません。
患者を救うためには、自分が仕事を楽しんでいないと救えるものも救えなくなってしまいます。
どうかそこを理解して今後の勉強をしてください。
もし、治療の勉強に行き詰まっている、治療が上手くいかないという人は、お問い合わせフォームからご連絡いただければ、可能な限り回答します。人の体をよくするための勉強がんばりましょう♪
※誰かに学ぶという近道
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